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大阪地方裁判所 昭和46年(ワ)1487号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三、損害

(一) 休業損害 三二三、二〇〇円

<証拠>を綜合すると、原告は、本件事故により、頸椎捻挫、左肩胛部挫傷の傷害を受け、昭和四五年四月一六日から同月二〇日まで手島外科内科に通院し、同月二一日から同年六月一六日まで同病院に入院し、同月一七日から同年八月三一日まで同病院に通算して四八日通院して治療を受けたが、頭痛、頭重感、左上肢しびれ感などの神経症状が固定したこと、原告は、事故当時三七才であり、昭和四三年一二月までは建具取付けの職人をしていたが、昭和四四年一月ごろから建具取付請負業を経営し、注文とりや現場の監督、職人の手配等の仕事に従事していたこと、原告は、本件事故による受傷のため、昭和四五年四月一四日から同年七月末ごろまでは全く仕事に就くことができず、同年八月ごろから仕事を始めたが、従前同様の仕事はできず、収入が減少し、その後同年九月からほぼ事故前と同じように就労するに至つたことが認められる。

原告は、右営業により月収平均三八五、八三四円を得ていて、右休業によつて一、五二二、五二〇円の減収となつた旨主張し、<証拠>によれば、昭和四四年四月から昭和四五年八月までの原告の営業による収入および支出を月別に記載した「惣崎組収支精算書」と題する帳簿が作成されていることが認められるけれども、右帳簿の記載の形式、内容等に照らし、右帳簿は毎月毎にその都度作成されたものとは認め難く、本件訴訟のため、事後に作成されたものとの疑いが存するのみならず、その記載内容の収入、支出の各費目を裏付けるに足りる資料は全くなく、また原告本人尋問の結果によれば、原告は、右営業開始後所得の確定申告を一度もしていないことが認められるから、右帳簿の内容だけで原告の収入および支出を認定することは到底できず、他に原告が右主張のような収入を得ており、本件事故による休業のためにその主張の如き減収となつたことを認めるに足りる証拠もない。

そして昭和四五年年度賃金センサスによれば、昭和四五年度における三五ないし三九才の男子労働者の平均賃金は一ケ月八〇、八〇〇円であることが認められるから、原告の休業損害算定の基礎となる原告の労働能力の評価は右金額をもつてするのが相当であると考えられ、前記認定の事実によれば、原告は、本件事故後昭和四五年七月末まで三、五ケ月間は労働能力を全く失い、同年八月の一ケ月間は労働能力が半減したものと認められるから、原告の右労働能力喪失による損害を労働能力の評価額を一ケ月八〇、八〇〇円として算定すると別紙計算書(1)記載のとおり三二三、二〇〇円となる。

(山本矩夫)

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